目下ヒダリ向き

毎日の事、仕事の事、いろいろ書きたい

家売るオンナとセールストーク

どうも、現場仕事を離れた途端テキメンに太り始めたヒダリです。

まずいまずい。着実に金銭が我が血となり肉となっています。最近のお気に入りはビニール袋をひたすらリフティングするあれです。いい運動。

 

さて今回のタイトルですが、年始に夜中再放送されていたドラマ、「帰ってきた家売るオンナ」を見ていました。

元々あまりリアルタイムでドラマを見ない(仕事的に見られないので)タイプでしたが、家売るオンナは中々面白く、ちょこちょこ見ていました。北川さんがとてもお綺麗……。

売れない家はない、と言われている主人公の三軒家万智(さんげんや まち)が、バッシバッシ家を売る話。ざっくりしすぎた説明ですが、少し前に流行した「私、失敗しないので」にも似たニュアンスを感じます。自信に満ち溢れ実績を伴う女性が、今も昔も憧れの的なのかなと思います。わかります、私もああなりたい。オムツ交換なら負けない。

脱線しました。

一見ものすごくでたらめで謎な行動に見える万智ですが、最終的には見事に問題を解決していくあたりに大事なことが隠れている気がします。

備忘録的にその辺りを書いてみたいと思います。

 

ずっと介護業界に浸っていた私ですが、介護に入る前は携帯ショップ(本店)に務めていたり、途中サ高住にて見学対応や営業を行ったりと、セールストークに触れる機会が意外に多くありました。

セールストーク、難しいですよね。熱意だけでもダメ、知識だけでもダメで、これでどうだ!と押してみたところで反応が薄い……

お客さんのニーズを察知できなければ、どれだけ押しても無駄な時間になってしまう恐ろしさ。どれだけ良い商品なんです!と説明しても、お客さんが興味を持っている所はそこじゃないんですよね。

実はこれよくやりがちで、やたらに自分の知識をしゃべり続ける販売員さんなどに遭遇したことないですか?私はある。私が欲しいのはこれだ、という明確な点を出しているにも関わらず、こっちもいいですよ!これも新商品でこんな機能がついていて!っていう。その時点でもう購買意欲半減ですよ。

サ高住で見学対応をしていた時などに注意していた点は、

 

1.まずは会話のキャッチボールをする

これ、介護でも一般社会でも使う基本のコミュニケーションなんですが、ただ質問攻めにするだけでは本心の要求を引っ張り出すことは出来ないんですよね。○○好きですか?じゃあ××はどうです?生まれはどこですか?云々……会話を途切れさせるのが怖くて、頭に思い浮かぶ質問すべてをぶつけてくるあれです。お前はアンケートサイトか。

会話を広げてキャッチボールをするのが大事なんですけど、これがまた難しい。

広げろってどうやって広げたらいいのか。相手の出身地を聞いてみた所でそんなに詳しくない所だった……あるある。そんな時、私は逆に聞いてみてしまう手段をとっていました。

 

A「出身は鹿児島ですね」

私「鹿児島!鹿児島で美味しいオススメとかありますか?」

A「かき氷の白熊とか、あとは海産物とか美味しいのありますよ」

私「あー!じゃあBさん(入居検討者)もかき氷とか魚介とかお好きですかね?」

※拙いフィクションです

 

……こんな感じの、些細なコミュニケーションから話を広げつつお相手の情報を溜めていきます。こればっかりは慣れですよね……私も最初苦手でした。そもそも人見知りだもの。無理ゲー。でも満室にしないと利用率がとかそういう裏事情もにゃもにゃ。

色々なお客さんに当たって、色々な適応力を養うしかない。

でも会話が目的なのではなく、あくまで相手の要望を引き出すための会話です。

 

2.人は千差万別、勝手に過去のケースにあてはめない

これ、携帯ショップ時代に口を酸っぱくして言われていたことです。

「過去にこういう人がいたから、きっと似た事を言うこの人も同じタイプでいいよね。」これが一番危険です。

Aさんは本当にネットもメールも一切しないから定額プランはいらなかった。

Bさんもネットはそんなにしないから定額はいらないと言う。

現在はスマホが主流になり定額プランもほぼ強制なのでそういった事故は減ってると思いますが、ここで安易にじゃあAさんと同じようにいらないね、とはならないですよね。

実は1日中メールしまくっているかもしれないし、“そんなに”の程度もわからないし、1日30分くらいは乗り換え案内サイトを見ているかもしれない。

人によって見ている視点が全く違うので、様々な可能性を念頭においておかなければなりません。ほんの小さな説明忘れが、後々特大クレームになる可能性もあるのです。

 

他にも細かく気を付けている所もありますが、大きく注意していたのはこの2点です。

家売るオンナとかけ離れ始めてきました。

要するに三軒家万智がバリバリ家を売れるのは、この「隠された相手の要望と問題点」を見抜く力が優れているのだろうなと。そして、その問題を解決する為の手段がダイナミックなのも面白い。

潔癖症の夫婦がトイレ内で手を洗えないからトイレのドアノブが汚くなる、と騒いだ時には、トイレのドアノブを一つ増やした事で解決しました。これにはさすがに驚いたし、成程~~~!と声が出ました。

汚い手用と、綺麗な手用。な、なるほど~~~

私もそんな柔軟な頭を持ちたいものです。そんな事を考えた年始の深夜でした。